ある日突然、黄色いカレーが食べたくなる

食べ歩き ,

54歳以上の人は、ある日突然、黄色いカレーが食べたくなる。
しかしこれが今の東京では難しい。
あの林間学校の最後の日に出されたようなカレーは、なかなか出会えない。
インド料理店のカレーは、どんな街でも出会えるのに、あの黄色いライスカレーは、逆に希少になりつつある。
に¥皮肉な現象だなあと思いつつ「JUNE」に来た。
老夫婦が営む店は、ポークカレー一筋である。
できますものは、小、並、中、大の四種類と潔い。
1) ルーはどろりというより、とろりとした粘度で、舌に甘えてくる
2) 最初の一口は甘く、そこから旨味が来て、かすかに酸味が来て、最後にどこか彼方で、辛さが響く。
3) 豚ロース肉の小さな塊が4〜5片(多すぎてはいけません)
4) アルミの楕円皿
5) 辛さ調整など、そんなことはできません。
6) 野菜は玉ねぎだけ
7) トッピングは温泉卵とポテトサラダ
8) ソースはたっぷり注がれる
9) 卓上には、生キャベツと福神漬け
いい。何もかもが昔のままである。
味に懐かしさと安心があって、一心不乱に食べ進む。
最後はルーを食べ終え、ご飯だけを少しだけ残す。
このカレーの味がするかしないかという、中途半端なご飯がいい。
味に侘しさがあって、心が泣く。
今日はここに温泉卵を乗せてみた。
卵を潰し、ご飯と混ぜてみた。
福神漬けを少し乗せてみた。
このカレーには、こういう食べ方が似合う