「ブリアンツァ」の奥野シェフと<焼きそば対決>をした。
奥野シェフは「専門ジャンルではないから」。僕は「プロではないから」と、「負けても平気だもんね」という逃げ道を作りながらも、勝負欲満々である。
奥野シェフは「カルボナーラ焼きそば風」と銘打ったらいいだろうか。
食べるとウースターソースの甘みや香りはするのに、一切ウースターは使っていないという不思議な焼きそばである。
品があるのだが下品という、二つの性格を持ち合わせた、ちょいとクセになるやきそばだった。
僕の焼きそばは、一見シンプルに見えるが、時間がかかった、ミヤン宮永シェフ直伝の焼きそばである。
前日に、醤油5、紹興酒4、日本酒1を合わせ、脂をとった鶏皮、ネギの青い部分、生姜を入れて沸かし、醤油の角が取れたら一晩寝かす。
ここに当日、黒酢、バルサミコ酢、オイスターソース少しとXO醤、五香粉、黒胡椒それぞれ少し入れて、ソースは完成。
ねぎ油を作り、アンディーブの細切りを炒め、あさりの出汁を入れたらデュラムセモリナ粉の特製生麺を入れ、混ぜ合わせたら完成である。
上に細ねぎの小口切をチラシ、皿の余白に五香粉を降ったものである。
「香港風焼き」そばと言っている。
色は濃いがしょっぱくはなく、食べ始めるとお腹いっぱいでもスルスルと入ってしまう焼きそばなので、決して深夜に作って食べてはいけない。