「ソースカツ丼」。ではない

食べ歩き , 駅弁 ,

さすが福井。駅弁にもソースカツ丼があるではないか。

しかし蓋を開けて愕然とした。

これは「ソースカツ丼」ではなく、「ソースかけかつ丼」ではないか。

ソースの海をくぐり抜けていない。

まだらにかかっているだけである。

しかも写真左下のカツなど、ほとんどかかってないに等しい。

よく見ると、右上のカツから左上、左下へと、丸く、ささっとかけたのだろう。

最初はたっぷりだが、次第に雑になっている。

これでは「ソースかけカツ丼」どころか、「ソースちょいかけカツ丼」である。

ソースがかかってない、冷えたカツを食べる時こそ、悲しいことはない。

さらにソースがかかったご飯は、もっちりとしているのはいいが、下までソースが染みていない。

ゆえに上の層を食べると、白いご飯になってしまう(最後の写真参考)。

そのため、ソースのかかっている部分のカツを食べる→下から白いご飯を掘り起こして食べる。

ソースがかかっているご飯部分を食べ、ソースのかかっていないカツをすぐさま食べ、口内で出合わせるという荒技が必要である。

真味必淡、淡い味の中にこそ真の味わいがあるという言葉があるが、ソースカツ丼という料理はその逆で、真味必濃が持ち味なのに、返す返すも、悲しい。