「らん月」の「すきしゃぶ」

食べ歩き ,

「らん月」は、「すきしゃぶ」なる料理が面白い。出汁で薄めた割下で、薄く切った肉を、しゃぶしゃぶするのである。

ザクもすき焼きとは異なり、季節によって、ヒラタケ、牛蒡、カキノキダケ、マーブルビッツ、しぐれ大根、白菜、分葱、ネギ、椎茸、玉葱、、水菜、ほうれん草、白菜、サニーレタス、レタスと野菜が豊富。

野菜を入れたところへ牛肉を泳がせ、玉子の中へ。一頭買いされたという黒毛和牛のサーロインは、肉の香りがあって、ほんのり甘い。

吟味された野菜や茸は力強く、様々な食感を口の中で弾ませて、楽しいことこのうえなし。ネギや玉ねぎを牛肉で巻いて食べるのも、お奨めである。

一方すき焼きはリブロース。牛脂をなじませた鍋に、肉を広げて割下かければ、「じゅじゅ~」と音が立ち上がり、甘い香りに包まれる。

そうすき焼きは、音でも食欲を攻めてくるのである。この店の仲居さんは、音の立て方が見事で、食欲をじくじくあおるのである。

日本酒の揃えにもこだわる「らん月」では、米のうま味がしっかりと出て、甘辛い味を受け止める酒を選んでもらい、共に楽しもう。