久々の一人フレンチである。
ラストオーダー寸前の10時に渋谷VIRONに滑り込んだ。
「山鶉、山鳩、カスレが売り切れてしまいました」。
ううむ。この三品からなくなるなんてなかなかいい客がついている証拠だね。
そこで選んだのは、「ブーダンバスケーズ」と「蝦夷鹿のポワレ」。
この二つではあまりに血湧き肉踊るなので、シーザーサラダをハーフポーションで頼む。
見よ。この皿に鎮座ましましたブーダンのりりしさを。
キャラメリゼしたりんごと合わせて口に運べば、バスケーズならではのクミン香広がり、鉄分とりんごの甘さが溶け合って、ああ。
鹿も堂々たるポーションで、ソースは、王道のねずの実とジンと赤ワインによるジュニエーブルソース、ガルニは栗のピュレとジロールとトランペットのソテーと、これも定番。滋味に富んだ森の養分に溢れた一皿で、
「俺は肉食らってるぞぉー」と、一人心の中で叫びながら食べ終えたのでありました。
それにしても量はフランスサイズ、おいしいVIRONのバケットも食べ過ぎて、さすがにデセールはパスいたしました。
2005/11