ザンギを舐めていた。
今まで食べたのは、北海道のゴルフ場や居酒屋である。
鳥の唐揚げの、単なる北海道版呼び名だろうくらいの認識しかなかった。
しかし先日、札幌来歴40年にして初めて、名物の店を訪れてみた。
「中国料理 布袋」である。
開店同時に満席で、客たちの「ザンギ」注文が次々と響き渡る。
とりあえず一人前の5個でなく、3個でいいやと、舐めた態度で、ビールのつまみにすることにした。
ザンギが運ばれる。
おお。
なんという大きさだろう。
一つが、通常の2倍はある。
これを5個食べるのか。
札幌っ子のザンギ愛恐るべし。
ちょうど相席した30代前半のスリムな女性は、5個乗ったザンギ定食を、涼しい顔で食べている。
この店のザンギ、ご飯換気力が凄まじい。
下味が濃すぎないのに、ご飯が猛烈に恋しくなる。
そこで5時から三つ星寿司屋で食事だというのに、ご飯を追加した。
ついでにシュウマイも追加した。
ザンギには、甘酸っぱいタレが添えられ、皆さんこれに浸けて食べておられるが、僕は上からかけて油淋鶏にした。
するとさらにご飯欲求が加速して、5時から寿司屋だというのに(しつこい)、一気にご飯を空にしてしまった。