矢守さんは、苗色の種を置いて、ゆっくりと石臼を回し始めた

• 東京,
• そば

矢守さんは、苗色の種を置いて、ゆっくりと石臼を回し始めた。 次第に薄緑の粉が挽き落ちていく。 粉をボールに取り、湯を入れて、渾身の力で棒を回し始めた。。 ……

恵比寿「しん」

辛子蓮根は、揚げ立てにかぎる。  

• 東京,
• 根菜,
• 郷土料理

辛子蓮根は、揚げ立てにかぎる。 このことを教えてくれたのは、店主村上さんだった。 なにより食感がいい。 熱々をほおばると、カリッとした衣とサクッと歯が入るレン……

キャピトルホテル「ORIGAMI」

ホースラディッシュは、おろしたてが命

• 牛,
• 東京,
• 香辛野菜,
• ステーキ

ホースラディッシュは、おろしたてが命である。 目の前で料理長がカットしたローストビーフは、、ソースをかけて皿に盛り、ホースラディッシュをすりおろす。 ホースラ……

亀戸「メゼババ」。

焦がさなくてはいけない。

• 東京,
• 果菜,
• イタリア料理,
• パン　サンドイッチ　

半分に切ったトマトを、手でつぶしてパンになすりつける。 ライ麦入りパンは焦げるまで焼くながら、中はしっとりと。 伸びやかなトマトの酸味と焦げの苦みを伴ったパン……

天現寺　広尾「アンビグラム」

菜の花とビゴリ。

• 東京,
• 葉茎菜,
• イタリア料理,
• パスタ

菜の花を使ったパスタは色々あるが、傑作は「アンビグラム」のそれではないかと思う。 アンチョビの塩気が、くったりと茹でた菜の花のほろ甘さとほろ苦みを引き立て、さ……

ペルシュウの余韻。

• 岐阜,
• 豚,
• シャルキュトリー

薄く切られた生ハムは、甘い香りを漂わせ、唇にそっと触れた。 塩気が来た。 熟れた濃い滋味が来た。 しかし尖っていない。 なんと優美な味わいだろう。 うま味が濃……

目の前に表れた時、一瞬なんだかわからなかった

• 果菜,
• 割烹,
• 京都

目の前に表れた時、一瞬なんだかわからなかった。 焼き茄子である。加茂茄子の焼き茄子である。 焦げるほど焼いて二つ折りにし、ヘタの部分を立てるように置かれ……

〜「傲慢」とは〜

• 東京,
• 白身魚,
• フランス料理

〜「傲慢」とは〜 「痛いっ」。 噛んだ瞬間に、魚が囁いた。 もしかすると、焼かれたことに、まだ気がついていないのかもしれない。 それほどにキンメ……

唐辛子が火花を散らし、山椒が爆ぜる

• 牛,
• 豚,
• 京都,
• 香辛野菜,
• 羊　ヤギ

唐辛子が火花を散らし、山椒が爆ぜる。 辣に口腔は痛み、麻に舌は痺れる。 それなのに、なぜか優しい。 優しいのは、木下牧場の牛肉が噛むほどに滋味を溢れ……

京都のやぁ！

• やぁ！,
• 京都

京都のやぁ！ 楽焼きの陶芸家も。予約至難な割烹のご主人も、おいしい顔した、四川料理の厨師も、豚足と手袋しながらも、大盛況の素晴らしきフェスティヴァン京都会場……