日本美食の旅
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もう何も言うまい。
食べ歩きもう何も言うまい。このふたりがあつかう、マグロと牛肉は、命の発露がある。 命をみなぎらせて、迫ってくる。 それでいて優しく、かつ老練に迫ってくる。 ああ、……
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秋田「酒盃」
柔らかな燗づけが独酌を呼ぶ
食べ歩き秋田「酒盃」の素晴らしきところは、燗づけである 雪の茅舎、天の戸、飛良泉、刈穂。 それぞれの酒の良さを、ふんわりと滲ませ、心を包みこむ。 独酌がしたくなる……
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ハモの出汁炊き込みご飯
食べ歩き9月の荻窪「有いち」のご飯は、ハモの出汁炊き込みご飯だった。 鱧のうま味がうっすらと米に沁みて、しみじみとした美味しさが募る。 このご飯のお供には、玉子……
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松茸は濡れていた。
食べ歩き松茸は濡れていた。 自らのエキスなのか、朝露なのか、昆布の液なのかはわからない。 ぬめりと濡れて、光を映し、「食べる?」と、耳元で囁く。 生松茸に薄く……
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ラーメンとはなにか
食べ歩き褪せた赤のれんをくぐると、細長いカウンターが伸びていた。 剥げかけ、客の愛着が沁みこんだカウンターに座る。 「そばを一つください」 「はいよ」。 奥……
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モツの満員電車
食べ歩き長野「小鶴」の煮込みは、モツの満員電車である。 野菜もこんにゃくもなく、大腸、小腸、胃袋が、身を寄せ合い、ひしめき合う。 クニュ、ふんわり、シコッ。 それ……
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忙しいと人は痩せる?
食べ歩き忙しいと人は痩せるという。 しかし私は逆である。 仕事の性格上、「忙しい→食事回數が多い」となるからである 例えば9月のある日の水曜日は、 朝銀座トリコ……
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栗の声を聞いた。
食べ歩き栗の声を、聞いた。 幾重にも連なる栗の糸を、慎重に口に運ぶ。 その途端、糸は、はらはらと舞い散って、夢となった。 「これが私なの」。そう栗が呟いた。 こ……
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「朱雀モンブラン」
食べ歩き栗10個くらいの口の中に突っ込まれたかのような勢いがあった。 「小布施堂」の「朱雀モンブラン」である。 切って口に運ぶ。 クリームがふんわりと舌に乗って、……
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「雁の山」
食べ歩き日本人が和菓子というものに、自然を託してきた美学が、ここに息づいている。 小布施から望む雁田山にちなんだ「雁の山」は、小豆あんを山に、裏ごしした栗を空に見立て……
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