先日大森の「布恒更科」へ。
十年ぶりかもしれない。
勘定を済まそうと金を払い、領収書をもらっていたら、レジ横のテーブルで男二人が言い合っている。
そばがきを頼んで、ついてきた大き目の海苔板をどうするか言い合っていたのだ
「これどうしたらいいのかなあ」
「そばがきの桶にいれるんじゃない?」
「いやそば猪口だよ」
「そうかあ、先にかじるんじゃねえか」
初体験なのか。
すると片方が
「ええい、入れちゃえ」と、
そのままそば猪口に押し込んでしまった。
「ああ、なにやってんの。そうじゃないよ。海苔はちぎってちぎって、適時そば猪口に入れるんだよ」。
僕はそう心の中で叫んだ
その時である。
ビリビリッ!
と音が響いた。
なんだろうと手元を見ると、領収書が無残に破かれていた。