セブンイレブンの底力

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おせちを作ったことあのある人なら、だれもが知っているように、意外と材料費がかかるものである。
だったら、買った方が、手間がない分いい。
と考える人が増えたのだろうか。

しかし高い。
4~5万は、家族一回の食事としては、高すぎる。
あるところなど、10月ごろから作り始め、冷凍しているといううではないか。
さらに
1、高いゆえに比較できない不安
2、高額商品なのに、味見もできない不安
3、もし口に合わなかったらどうするのかという不安
等が走り、気の弱い僕はとても手が出せないのです。

だれかおせちミシュランとかおせち食べログをやってほしいと思う。
そこで今回は、ある噂を聞きつけ、1万五千円のセブンイレブンのおせちにしてみた。

 

これが全貌である。
お重は紙であるが、堅牢でよくできている。
また、チンしてもいいようなものは、その仕切りごとレンジに入れられる。

壱の重
丹波黒豆、栗きんとん、紅白蒲鉾、伊達巻、有頭海老の艶煮、田作り、数の子、紅鮭昆布巻き、
翡翠梅

弐の重
ぶりの照り焼き、黒豚角煮、三陸産イクラ醤油漬け、砂糖掛け胡桃、紅白なます、小肌酢漬け、
市松錦玉子、松前漬け、数の子添え、イカの松かさ焼き

参の重
あわび煮、紅鮭スモークサーモン、玉ねぎマリネ、たたきごぼう、明石産タコ酢漬け、レンコン酢漬け、こんにゃく煮、比内地鶏肉団子、葉つきキンカン、炊き合わせ(タケノコ、ニンジン、ふき、里芋、シイタケ、高野豆腐、手毬酢、ごぼう)きぬさや

食べた。
驚いた。

なによりも驚いたのが、どれも味付けの塩梅がよく、上品に味が抑えられ、素材の味わいが明確なのだ。
特に甘い味付けのもの、きんとん、黒豆、錦玉子、田作りなどは、デパートなどで選んで購入しても、甘味が余分すぎることが多いのだが、ちょうどいい具合に整えられている。

これは酢の物にもいえて、たたきごぼう、タコ、こはだ,酢バスといった酢の物の酸味も、程よいのだ。

また、小肌、海老、たこ、あわび、いかといった魚介は、どうしても作り置きのこういったものになると、固く、味の抜けたものになりがちだが、どれも素材の風味が残った、しっとりとした、柔らかい食感があり、冷凍ではないという証左だろう

また基本の野菜の煮物も、素材の味が伝わる味付けで、優しい気分を呼び込む。

洗練はされてはいないが、濃すぎない、甘すぎない、丁寧な作り方。
素材も名産地だけうたっているのではない、質の高さがある。

コンビニにしてはすごくいい、というレベルではない。
彼らの関係会社も含めた技術力とコスト力が結集した逸品である。
真っ当かつ、お値打ちのおせち。
食べてみなけりゃわからないこともあるのだ。

このおせちに、いつものように、ブリのお刺身と
塩ぶりが入った雑煮。
そして朝酒。
幸せな一年の始まりだった