青山「イーリャブランカ」2011年閉店 川越で再開

フェイジョアーダ

食べ歩き ,

暑い夏には暑い国の料理を食べる第二弾。今回はブラジル料理である。ブラジルを代表する料理フェイジョアーダは、黒豆と牛や豚の内臓類を煮込んだブラジル版「煮込み」である。入っているものは内臓類だが、居酒屋の煮込み同様に味はまろやかで、奥深いうまみが人をひきつける。ご飯との相性も抜群。都内のブラジル料理店では必ず頼んでしまう、飽きのこない味である。なんでも植民地時代の奴隷たちが、捨てられていた豚の足、尻尾、耳、臓モツなどを黒豆と煮込んで食べたのが始まりとされているらしい。国土の大半が熱帯気候であるブラジルで、手軽にさらりと食べられ、しかも栄養価の高い料理として愛用され、日曜日の昼に家族で集まって食べる習慣があるそうである。

東京にも数多くのブラジル料理店があってフェイジョアーダがいただけるが、その多くが夜のみの営業で、長年昼に気軽に食べたいという願望があった。そんな折ふと青山の裏通りで見つけたのがこの店である。白壁の洞窟を思わせる小体な店内の厨房に立つのは、ブラジルが大好きだという女主人一人。フェイジョアーダは真っ黒なシチューに肉塊ごろりところがる迫力の姿だが、一口食べれば心安らぐような豆の甘みが広がる。そこに内臓類やブラジル風ソーセージの食感が加わって、なんとも楽しい。あとは、唐辛子入りのピメンタソースで辛味をつけ、芋の粉のマンジオカで風味をつけ、ご飯とよくよく混ぜて食べれば一気呵成。気がつけば暑気は吹き飛んでいるはずである。

 Ilha Branca●イーリャ ブランカ

〒107-0062 東京都港区南青山3-4-7第7ビル1F

閉店

写真はイメージ