<駅弁勝負> 第16番

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<駅弁勝負 第6番の巻>
前回は、図らずも「シウマイ弁当」に負けた。
だからといって「シウマイ弁当」で勝負をかけるのでは、芸がない(食べたいけど)。
今日はせめて中華系で攻めようと作戦を立て、ノースコート日本の駅弁コーナーに向かった。
ここには「津軽景色」という名駅弁がある。
しかし今日は目もくれず、中華系を探す。
陳健一の弁当ではゴーカすぎる。そこで選んだのが横浜中華街「廣東飯店」の「豚バラやわらか煮弁当」1080円である。
「廣東飯店」は知らないが、この弁当なら必勝方法がある。
ここに「山水楼」の「肉団子」だけを買い、豚バラでご飯を半分ほど食べ、そこで肉団子を取り出して食べるという、ズルい方法である。
でもあまりにも姑息すぎるので、本日は買わないことにした。

「豚バラやわらか煮弁当」。
かすかに八角の香りがするタレがかかっていて色艶がいい。
ほうれん草の胡麻油炒め、半熟煮卵、唐辛子の利いたひき肉と高菜の炒め。
無駄がない。余計な甘えがない。これなら勝てるかな。
豚肉は臭みなく、文字通り柔らかで、脂の嫌らしさもなく、ご飯を呼ぶ。
この豚バラを一齧りし、高菜炒めとその下のご飯を一緒に掻き込むのが楽しい。

煮卵は、①そのまま食べて、ご飯掻き込む。②豚バラと合わせてご飯掻き込む。③崩して白飯と混ぜ、煮卵ご飯にする。といった③方法が考えられるが、いずれも捨てがたい。
さて隣であるが、30代前半のサラリーマンである。
幸いにも弁当は買っているようなので、勝負が出来る。
しかしスマホをいじっていいて、食べる気配がない。
新横浜に着いて、ようやく弁当を取り出した。
午後の紅茶に続いて現れたのは、JRパッセンジャーサービスの「おむすび弁当」である。
まずはおにぎりからいった。
なんと箸でおにぎりを食べている。

その瞬間、勝利を確信した。おにぎりは手で食べてこそ美味しいのに。

でもなぜか、勝利の喜びが弱く、虚しいのであった。。