三田「コートドール」

<じゃがいもといわし>

食べ歩き ,

<じゃがいもといわし>

自家製だというアンチョビは、じゃがいもの上でうたた寝をしていた。

気持ちよさそうに微睡みながら、ジャガイモの熱で溶けかかっている。

一口て食べた、

じゃがいもの素朴な甘みが、心を溶かす。

その陰から、そっとアンチョビが顔を出す。

穏やかになった塩気とうまみを、芋の甘みへと伸ばしていく。

その瞬間、二つは宇宙となった。

三田「コートドール」のアミューズ。