鳥もつ鍋

食べ歩き ,

檀一雄の「火宅の人」に、忘られぬ鍋のシーンがある。

主人公の作家が、ホテルの部屋で原稿を書いていると、飲み屋の女が訪ねてくる。

作家はクーラーボックスから、鶏モツと葱を取り出し、鍋に仕立てて、2人で盃を交わし合う。

以来我が家でも、水炊きにモツを入れるようになった。

砂肝、ハツ、レバー。

さっと湯がき、染めおろしをからめて、山椒をふる。うまい。