香ばしく焼けたきくに

食べ歩き ,

香ばしく焼けたきくに、塩をちょいとつけて、一口でほおばる。
はふはふとあえぐ舌に、乾坤一を流し込む。
白子の精が、酒に酔って香りを開き、甘えるようにしなだれる。
ああ、いやらしい。
僕は、なす術もなく、へなへなと陥落する。
仙台「一心」の夜。