「ハゲ天」は、天丼を気軽に食べたい方におすすめしたい。
店内に響く、天ぷらを揚げる音がよく、より一層天丼を輝かす。
お新香に味噌汁、大根サラダがついて、1260円(2016年。2025年では大エビ天丼で2200円)。
錦手の丼の蓋を、ちょいとずらした格好で出される。
麺実油を混ぜた胡麻油主体の油で揚げられし布陣は、海老二尾、小柱と玉ねぎのかき揚げ、穴子、季節の白身魚(甘鯛やきすなど)、玉子。
二代目が確立したレシピ以来、変わっていないという丼つゆは、甘が勝った味わいである。
揚げた天ぷらを、つゆに潜らせるのではなく、上からかけるのは、最近の嗜好にあわせて変えられたのだという。
甘めのつゆに漬けるのではなく、かけたことによって、バランスがよく、旨さが素直に広がっていく。
また珍しい玉子の天ぷらは、中盤で割り、穴子天を半熟の黄身に浸けて食べても面白い。
年配のお客さんで賑わう店内は、年を重ねたご両親をお連れしても、喜ばれるだろう。