銀座「趙楊」。「回鍋肉」3種と「すっぽん料理」3種という宴席を開いた

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銀座「趙楊」。「回鍋肉」3種と「すっぽん料理」3種という宴席を開いた。
まずは「回鍋肉」のご報告。
1弾は「本場四川家庭風回鍋肉」
やられた。やられました。油が多用されているのにまったくもって、微塵も油っぽくない。油のコクだけが生きていて、豚を持ち上げる。
いかに早く火を通し、調味したかで、この油のキレの良さは出ないという。趙楊さんだけの技だ。
葉にんにくの香り、豚脂の甘み、油のコク、豆鼓の甘みとうま味、辛味。
複雑な味わいが絡むが一つとして突出していない、丸く、食べれば食べるほどにお腹が空くのである。
2弾は本場四川皮つき豚肉の回鍋肉」
これは前者より、油が少ない。豚肉は前者より厚めで、噛みしめる喜びがある。
少し品があって、豚肉が生きた味わいである。
3弾は「本場四川甘味噌風味の回鍋肉」
鄧小平が好きだったという料理である
自家製甜麺醤ゆえに、甘味が甘えていない。きりりと締まっている。それでいて優しい。
甜麺醤の奥底に、いい意味のえぐみがあって、舌中央の奥でそっと主張する味が、異国である。
麻婆豆腐よりはるかに歴史が古く、四川の人に好きな料理は?と聞けば、9割が「回鍋肉」と答えるのだという。
もちろん趙楊さんも、一番好きな家庭料理なのである。
次回はすっぽん三部作。