淡泊なやがらは、頭と中、尻尾近くの三種類の食感と味わいの濃さがあり、全国でも2%しかないという北三陸の久慈(あまちゃんだ!)の天然ワカメは、青々しさと潮の香りを口いっぱいに広げながら、甘く、にゅるりと崩れていく。
32キロのクエは、滋養に溢れたスープで、僕らの心を安らげる。
そして頭は、分厚い皮を噛みしめ噛みしめ、滲み出るコラーゲンの甘みを楽しむ。
ナマコのような唇。とろんとした眼球回り、しっかりとした身質で脂がのった首すじ、上品な旨味持つ頬肉、いずれもいいが、細い筋肉に脂がみっちりのった、アゴ下肉とほほ内側肉が、一番だろうね。
続いてすし。
帆立と帆立の卵巣握りはエロく、酒と合わせればさらに妖艶で、イサキ塩麹握りは、塩麹の甘みがイサキを持ち上げ、こぶだいとめじの柑橘煮佐賀の海苔による海苔巻は、ナッツ香がする高砂と見事に共鳴する。
生ブラウンマッシュルームと、水飴の入っていない醤にカジキの握りで笑いだし、カジキの湯霜漬けで目を細める。
きんきの生粕漬けはこれまたねっとりと舌にからみ。マンボウの腸マンチョウはシコシコと噛めば、あらミノのような香ばしさと、うまみあり。
鯖皮焙りニンニク醤油や上出来の干瓢巻に国産ゴマの胡麻油をかけ、最後は穴子とクエ頭再度焼で大団円。
酢飯屋にて。