神保町「食堂新」

第3回東京定食屋会議(東京とんかつ会議番外編)

食べ歩き ,

神田猿楽町「食堂新」鯖の黒煮アジフライ定食

第3回東京定食屋会議(東京とんかつ会議番外編)
神田猿楽町「食堂新」鯖の黒煮アジフライ定食1000円
【おかず9ご飯2味噌汁2お新香2特記あじフライ1合計16点】おかず10点満点そのほかの項目3点満点特記1点総計20点満点
店頭に「鯖」と大きく書かれた暖簾がかかっている。「鯖の味噌煮」ならぬ「鯖の黒煮」に特化した定食屋である。その主役である鯖の黒煮は、味噌味ではなく醤油味で煮込まれた鯖で、箸を入れればホロリと崩れ、夏という鯖には不利な時期である丹生もかかわらず、しっとりとした身からは、十分な旨味が感じられて、上出来だった。
猛烈にご飯が恋しくなる濃い味付けなれど、濃すぎないようにされている点も気にいった。サバを食べた後に、煮汁をご飯にかけてもおいしい。また添えられた南高梅の酸味も、一旦味を切って、再び鯖に向かわせるアクセントになっている
またからりと揚げられたアジフライも、タルタルと共に食べれば、ご飯がすすむ。付け合わせのきんぴらや、青菜とエノキのお浸しも副菜として、箸休めの役目を果たしている。
この定食の主役は「鯖の黒煮」だが、定食の基本は、ご飯、味噌汁、おしんこである。その意味で、この三者の質がもう少し向上すれば、素晴らしい定食となるだろう。特に味噌汁は、塩気が強く、しじみの味が出ていなかったのが寂しかった。