皮はガリっと焼かれ、その下のコラーゲンは甘く、ニュルッと溶け出すように火が入っている。
見事な焼きである。
この対比的な食感こそ、地焼き鰻の魅力だろう。
大阪の地焼きの店を、4軒ほど行ったことはあるが、ここが頭抜けている。
以前お初天神にあった「うお治」を思い出した。
焼き方が面白い、串を五本ほど打つのだが、焼いている途中、焼き台の上でさらに串を打つ。
器用に身を波打たせながら打っていき、最終的には8〜9本になるのである。
ご飯は硬めでおいしく、吸い物の味付けはうな重相手にはやや濃く、タレは関東の人間にとっては甘い。
お重は、関東とは異なり、尻尾を手間に置く。そのため回転させたが、尻尾が左を向くことになり収まりが悪いので、慎重に尻尾を右に向けた。
慣れというのは、矯正できないのだ。
さて食べ方であるが、皮と皮下の魅力を味わいたいので、
1皮を舌側にして食べ、すかさず山椒をかけたご飯を食べる。
2ご飯に山椒をかけたら、ご飯と一緒に(皮とご飯が接地したままで)握り寿司の要領で食べる。
の二つがいい。
こうしてうまく焼かれたうなぎは、味の濃い尻尾あたりがとてもうまい。
ちなみに僕の両隣は山椒を使っていなかったけど、たまたまか、大阪の人には多いのかな?
鰻家@南方にて