「生ハムは、ペットです。愛情をかけて共に暮らしますが時には厳しく当たらなければならないこともある。生ハムは生き物のなのです」 藤原さんにとって生ハムとはなんですか?とたずねると、彼はそう答えられた。
同じ豚でも一本一本仕上がりが異なる。
麹を塗って二年間じっくりと育てていく。
1500メートルの高地で作られた生ハム、温かみのある旨みかあって、噛みしだくごとに旨みが湧き出してくる。
そして喉におちゆく刹那、甘い脂の香りを立ちあげる。
「あなたと、今まで一緒に暮らせてよかった」そう生ハムが言っているような、優しい味がした。
姫木平 メゾン ドゥ ジャンボン ド ヒメキにて。