熱々の衣を手で持ち

食べ歩き ,

熱々の衣を手で持ち、がぶりとやる。
カリリ。
噛み口から湯気が上がって、白い肢体が現れる。
ほの甘く、静かに衣の中で生きている味に、口元が緩む。
その優しさと、油を抱いたパン粉ののワイルドが、
相反するものが、互いを立てあい、味を高めていく。
がぶり。がぶり。
二口食べて、冷たいビールを流し込んだ。
「ぷふぅ~、ああ」。
合間にフライドポテトをほおばり
またフライドチキンを食べては、トーストを齧る。
玉葱や人参の新鮮は、口を新たにし、再びチキンに向かう勇気を与え、
トーストやポテトは、食欲を、ぐっと盛りたてる。

元祖チキンバスケット。
浅草ブラジル。