無茶振りシリーズVOL3

食べ歩き ,

 

無茶振りシリーズVOL3
「焼餃子が食べたい」。
「でも、ラビオリやトルテッリを焼いちゃダメだよ」。
ワガママかつ注文の多い客である。
出てきたのはなんと、スープ焼餃子であった。
つまり、スープの中に焼餃子が鎮座している。
ほうきどりと愛農ポークでとったという白湯は、コラーゲンが溶け込んで、唇や舌に、口腔内の粘膜に、甘く、甘く粘りつく。
「ふうっ」。
満足のため息一つついて焼き餃子を食べた。
一口で頬張れば、アジアーゴチーズが
流れ出た。
どこにもイタリアンはないが、濃厚なスープのうまみにチーズのうま味という反則技である。
あまりのスープのおいしさに、ワガママな客は、「次はラーメンを作って」と、言おうと思っている。