美山荘

深緑のキノコ鍋。

食べ歩き ,

お椀の中で、ひっそりと秋がひしめいていた。

深山の空気が、体の中を吹き抜けていく。

キノコの不思議が、口の中を渦巻く。

締めは、ねずみ茸、こむそう、平茸 なめこの鍋であった。

ぬるん、シャくっ、ほっくり。

キノコのぬめりが、食感が、香りが、口腔内で弾け、鼻腔をくすぐる。

目をあげれば、目前には樹木が鬱蒼と繁っていて、その深緑に我々の意識が溶けていく。

京都「美山荘」にて。

 

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