椎茸のお粥

食べ歩き ,

椎茸のお粥である。
焼いた椎茸に、ぼってりと炊いたお粥を合わせた皿である。
まずお粥を食べれば、お米の朴訥ながらも豊かな甘みが広がって、すっと心が晴れる。
次に椎茸を食べて、驚いた。
なんという香りの高さだろう。
高い。というだけではない。
人間の及ばぬ自然界の純潔なる、清冽な香りが弾けて、圧倒されるのである。
片折さんは何軒か原木椎茸栽培農家を回って、この椎茸に行き着いたという。
当日の朝にもいだ椎茸を夕方に焼いて出す。
お客さんが席に座る時間に合わせて、粥を炊く。
寸前に合わせて、運ばれる。
これこそが、贅沢と言えるのではないだろうか?