東京ラーメン 昭和の味7 荻窪・春木屋本店

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荻窪・春木屋本店

1931年創業。荻窪駅前の有名店「春木屋」と同名だが系列店ではなく、こちらの本業はそば屋。

ただし70余年にわたりラーメンも供している。店は閑静な住宅街に佇む。

「中華そば」は六百八十円。

醤油色が淡い透明なスープが、白い丼に美しい。

油を浮かべたスープは、ほんのりと煮干の香りが漂い、食べ進むと穏やかなうまみが積み重なってゆく。

そこにしなやかな中細の縮れ麺が絡む。

アルカリイオン水をつかったという自家製麺とスープのバランスがよく、後を引く東京ラーメンの定番がある。

具はよく味の染みこんだ大判のチャーシュー、細切りのしなちく、三角形の大判の海苔に葱。

シンプルなスープと縮れ麺の海苔の香りが花を添える。

三代にわたって、地元住民に愛されてきた平凡の非凡。