東京とんかつ会議90回西新橋「とんかつ酒菜くら」南洲黒豚ロースかつ定食1780円

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東京とんかつ会議90回
西新橋「とんかつ酒菜くら」南洲黒豚ロースかつ定食1780円
【肉2衣2油3キャベツ2ソース2御飯2味噌汁2お新香2特記メンチカツ計18点】各項目3点満点特記1点総計25点満点
 
 サラリーマンの街、新橋虎ノ門界隈は、チェーン店以外のとんかつ屋が意外に少ない。そういう意味でも、今年二月に開店したという当店は、近隣で働くとんかつ好きにとっては、まさに待望の店なのだろう。昼時には行列ができていた。
 店は年配の、誠実そうな料理人と手伝いの若者たちで切り盛りしている。値段は、おおむね廉価に設定されているが、今回は、一番高価な南州黒豚ロースカツが、議題である。
 粗い衣をぴったりとまとったカツを一口食べれば、衣がカリカリと弾け、ごま油のような香ばしさが鼻に抜ける。油がなにかと聞けば、パーム油だという。中温で揚げて、油切れもよく、肉はほのかな甘味があって、しなやかだが、衣の粗さが勝ちすごているきらいがある。
 ソースをたっぷりかけるならいいが、塩で食べる向きには、やや肉の力の弱さが気になるところである。お新香は柴漬け数枚だが、これより大根や胡瓜の浅漬けのほうが、豚カツの味のリフレッシュとしての役目を果たすのではないだろうか。味噌汁は、油揚げと葱。ソースは、味が濃いので、かけすぎないほうがいいだろう。
 メンチカツは、ひき肉に肉の甘味があって、脂分も控えめ、ソースをかけずともそのままで充分においしいかつだった。