東京とんかつ会議75銀座「恵亭(けいてい)」越後もちぶたロースかつ膳2070円

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東京とんかつ会議75
銀座「恵亭(けいてい)」越後もちぶたロースかつ膳2070円
【肉3衣2油2キャベツ2ソース2御飯2味噌汁3お新香2特記なし計18点】

「恵亭」は、「とんかつ和幸」チェーンの上級バージョンの店として、全国5店舗展開している店である。豚肉も銘柄豚を使い(越後もち豚と鹿児島黒豚)、おなじみの「とんかつ和幸」より、席をゆったりととられ、内装にも高級感がある。
 写真のように、一切れだけ断面を見せて置かれるとんかつは、しっとりと肉汁に輝き美しい。越後もちぶたは優しい甘みがあって、品がある味わいであり、脂はするりと溶ける。しかし衣が粗いので、豚を生かしきれていない。この衣の粗さは、上顎に刺さるようなほどではないが、上品な豚肉の甘みに勝ちすぎて、この豚肉の良さを隠してしまう。
 また衣が粗いため油を多く吸って、油切れが悪く、カツの下の網に置かれた衣はしんなりして衣の軽快さを失ってしまっている。おそらく植物油であろうかと思われるが、衣の香りが乏しい。網に置かれている面ではない部分はサクサクと揚げられているので、残念である。この衣をよりきめ細かくし、揚げてからしばく休ますようにしたら、この豚肉は更に力を発揮するように感じた。
 お代わり自由の、ご飯もキャベツも上等。お新香は、山芋、山牛蒡、セロリ」、古漬けたくあん。お新香だけでは3のおいしさがあるが、とんかつの相の手としては、山牛蒡、古漬け沢庵は、味が濃い。山芋かセロリとキュウリや白菜漬けで十分ではないだろうか。また、添えられる大根おろしも上質だが、とんかつとは合わず、口休めとしても中途半端である。
 高級ということで、香の物の種類や大根おろしを充実させるのではない、味の整理が必要であると思う。
 味噌汁は、豚汁かしじみ汁が選べ、他店との比較から豚汁を選んだが、たっぷりの大根と大浦ごぼうだろうか、太いごぼうが入れられていて、他にはない美味しさがあった。ソースは1種類。甘み強いが、いやらしさなく後味がきれいで、香りがよく、この豚肉との相性もいい。
 細部にこだわりを見せるが、越後もちぶたの個性を活かす、さらなる仕事を望む。

山本氏

【肉3衣2油2キャベツ2ソース2御飯3味噌汁2お新香2特記なし計18点】

河田氏

肉3、衣2、油3、キャベツ2、ソース2、御飯3、新香2、味噌汁2、特記なし19点