東京とんかつ会議70回

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議70回 殿堂入り審議
御茶ノ水「ぽんち軒」「上ロースかつ定食1600円」
【肉3油3衣2キャベツ3ソース3御飯2味噌汁3お新香3特記ヒレカツ 合計23点】各項目3点特記1点総計25点満点
 2012年7月 東京とんかつ会議の第二回目に登場したのが、「ぽんち軒」である。当時は開店したてで、夜に訪れたら、客は我々4人だけだったが、今は昼も夜も満席の人気店である。場所柄サラリーマンが多いが、女性客おひとり様もいて、上ロースカツをおいしそうにほおばっていらした。
豚肉はきめが細かく、歯がググッと入っていくと甘さがこぼれる。脂がみっちりとついているが、脂も上質で、噛むとするりと甘い香りを放ちながら溶けて、切れもいい。ただ惜しむらくは、昼の混雑時ゆえか、やや肉に火が通りすぎで、余熱で最後の方になるとややパサつく。中粗の衣は粗目だが、ふわりと軽やかに揚げられて、衣が主張しすぎることがないが、この肉や脂身を生かすなら、もう少し均一な方がいいように思われた。揚げ切がよく油を感じさせず、下面の網に置かれた部分も蒸れてない。
とんかつソースは、なんといっても香りよく、濃いが甘すぎないので肉を生かす。また卓上に置かれた名古屋の太陽ウースターソースも香りよく、その辛さがキャベツの甘みを引き立てる。根菜の香りが溶け込んだ味噌汁、胡瓜と白菜のお新香(以前はナムル風だった)、ふんわりと盛られたキャベツも上等。
肉の甘い香りに満ちたヒレもぜひ。特に特製の「ヒレ一本揚げ(夜のみ)」は、その香りの豊かさに驚愕する。