東京とんかつ会議153殿堂入り審議神宮前「七井戸」

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議153殿堂入り審議神宮前「七井戸」

【肉3衣3油2ソース3キャベツ2御飯3味噌汁3お新香2特記なし計21点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

今年議題にあげた「七井戸」で、早くも「殿堂入り審議」を行った。ご存知のように「殿堂入り審議」は、3人の評議員(山本益博、河田剛、マッキー牧元)で出かけ、3種類のとんかつを注文し、食べ比べる。

「会議中」は、他の評議員の点数に影響を与えてはいけないため、目の前のとんかつに関しては一切言及しないという暗黙のルールがある。
3人のとんかつ好きで知られるようになったおじさんが、ほぼ無言で一気に食べる。

とんかつ屋さんにとっては、これほど緊張を強いられる光景はないと思う。
今回、議題に上がったのは「黒豚リブロースかつ定食」(3380円)「黒豚厚切りヒレかつ定食」(2580円)「黒豚上ロースかつ定食」(2780円)の3つの定食である。
どれも都内のとんかつとしては、トップレベルにある。

だが油を2としたのは、さらに高みを伸ばせるだろうという期待を込めて、部位によって若干ばらつきがあったからである。

脂が多く入る黒豚リブロースは、黒豚上ロースかつに比べると、脂がやや重く感じられ、黒豚厚切りヒレかつは、やや火の通りが深く、繊細な香りが消えていた。
一番バランスよく。申し分なかったのは、「黒豚上ロースかつ定食」であり、肉の甘い香りに富んで、火の通しも素晴らしかった。
今後はとんかつ職人であり、とんかつをこよなく愛する菊川さんが、各部位の性質をさらに見極め、理想を明確に描き、部位や、その日の豚のコンディションに合わせた揚げ方を追求していけば、さらによくなるだろう。
ご飯や油揚げに山椒をふった味噌汁も上等。

キャベツも切り方は多少粗いが、みずみずしい。お新香は、卓上に置かれた柴漬けが食べ放題である。

ウースターは嫌味がなくて香り高く、キャベツにかけると、おいしい。
写真は順に、「黒豚厚切りヒレかつ」、「黒豚リブロースかつ」、「黒豚上ロースかつ」