東京とんかつ会議111殿堂入り審議 高田馬場「ひなた」

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東京とんかつ会議111殿堂入り審議
高田馬場「ひなた」
【肉3衣3油3キャベツ2ソース3御飯3味噌汁2お新香3特記豚トロとランプ1計22点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

 第107回で取り上げて、3人が20点以上をつけたので、殿堂入り審議として3人で訪れた。3人のとんかつ好きおじさんが食べれば、さも食べている途中に、そのとんかつの話で盛り上がっているのだろうと思われるだろう。
 実は食べている途中に、一切とんかつの話はしない。かつの話だけでなく、キャベツやご飯の感想も言い合わない。なぜなら、話してしまうと、他の2人の評価に影響を及ぼすからである。
 だから延々黙々と食べる。変なおじさん3人組なのである。
 今回は、店開けの30分後に訪れたのだが、すでに満席だった。しかも年配のお客さんが多い。女性客も4割くらいいらっしゃる。今年開業したばかりだというのに、すでに上客をつかんでいるようである。
 頼んだ中では「上リブロースかつ」(写真)が良かった。リブロースは、背脂だけでなく、肉の中にも一層脂が射し込んでいる。脂と肉は火の入りかたが違うため、ロースより揚げることが難しい。より突っ込んであげながら、衣を剥がさない見極めが必要がある。
 それをご主人は見事に揚げきっていた。食べれば肉の旨味と脂の甘い香りが交差して、そこにパン粉の香ばしさや食感が加わる。豚肉の良さを生かしきったとんかつは、もう何もかけずとも、そのままで十二分に幸せになれる料理である。
 チャーシュースープは、前回より味を淡く整えられて上品になり、豚脂と濃厚な味がとんかつとぶつからなくな理、俄然良くなった。
 またこの店にしかないランプのかつも赤身肉に脂が少し入り込んだ肉の美味しさがある。この日は食べなかったが豚トロのかつもいい。今後は、いちぼなども揚げていく予定だという。今後ますます楽しみなとんかつ屋である。