東京とんかつ会議101銀座「GINZA1954」の「カツサンド」

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議101
銀座「GINZA1954」の「カツサンド」2376円

運ばれてきた瞬間、「あっ」と息を飲む。そんなカツサンドである。
断面は一面ピンク色で、しっとりと肉汁が染み出て濡れている。その色気あるお姿は、手をつけるのをためらってしまう。
 バー「GINZA1954」の「カツサンド」は、宮城県大河原町の契約農家から取り寄せた、三元モチ豚ロースの芯部分のみを使う。
 脂部分を掃除して衣をつけ、軽めに揚げてから余熱で火を入れて、頃合いを計ってトーストに挟み、切る。
たまらずむんずとつかんで頬ばれば、サクッと香ばしいパンが裂け、歯は柔らかな肉にめりこむ。甘い豚の香りが鼻に抜け、肉汁が口の中を満たしていく。
分厚いカツサンドながら、するすると、まるで水のようになめらかに喉に落ちていく、気品あふれるカツサンドである。
お相手にはビールもいいが、ぜひハイボールとともに楽しみたい。
あるいは白ワインでもいいし、ジンリッキー、グレープフルーツとラムを使った、ソル・クバーノなどのキリッとしたカクテルもおすすめである。
このカツサンドは、もちろん『揚げたて、焼きたて、挟みたて』という、出来たてを食べるのが一番いい。
だが持ち帰って一晩おいても、パンとカツが一層馴染んだ、別のおいしさも生まれる。夜バーで楽しみ、お土産にもしてもらう。
 家人たちが喜ぶ顔が思い浮かべながら帰宅して、一人おいしいものを食べてしまった罪悪感を和らげる。

山本氏

浅草「ヨシカミ」のカツサンド

河田氏

東京とんかつ会議 第101回 銘柄牛肉の佐藤 かつサンド(600円)