東京とんかつ会議 第192 回学芸大学 とんかつlab 「厚切り上ロース定食」1900円

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議 第192 回学芸大学 とんかつlab 「厚切り上ロース定食」1900円
【肉3衣2油2キャベツ2ソース2ご飯3味噌汁3お新香2特記特になし合計19点】各項目3点満点特記1点 満点25点
軽やかなトンカツである。噛めば甘い香りが広がるが、分厚いハムのようなしなやかな食感を感じる。このあっさりとした肉を、コーン油で揚げているので、さらに風味が軽くなる。
それはまた一つの個性だが、とんかつという料理を考えた時、魅力が薄くなってしまうのではないか。この肉だからこそ、ラードの甘い香りで、豚肉の魅力を膨らませてこそ、生きると思う。
また衣は中粗だが、よりきめ細かい衣の方が、この繊細な豚の肉質には合うように思うが、どうだろう。
油は、やや揚げきりが決まっておらず、油の重さを感じた点と、かぶりの筋に十分火が入っておらず2点とした。
脇役陣は、白菜の味噌汁、大根と牛蒡の醤油漬けが珍しい。漬物はそれ自体は美味しいのだが、トンカツの合間に味を切る役目としては、物足りない。ソースはどろりとした粘度を持ち、やや味が重いため、この軽やかなかつにつけると、ソースが勝ってしまう。黒糖醤油も同じである。
塩は4種類。日替わりだという宮古島雪塩に、竹炭塩、ババール岩塩 、マルドンが揃える。全部試したが、最もミネラル感を感じるマルドンが、この淡い味のカツには合う。
若き誠実そうな店主である。より良きとんかつを目指し、がんばれ。