東京とんかつ会議78表参道「まい泉」茶美豚ロースかつ膳1730円

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議78
表参道「まい泉」茶美豚ロースかつ膳1730円
【肉2衣3油2キャベツ2ソース2御飯2味噌汁2お新香1特記1黒豚ヒレカツ 合計17点】 

個人的なことで恐縮だが、音楽会社在籍時代、弁当とカツサンドで散々世話になった「まい泉」である。相変わらずの人気で、昼時に行くと1階2階合わせて総席数170席が満席となり、待っている方も大勢いる。単一店舗では間違いなく、日本最大のとんかつ屋であろう。また、これだけ混雑をしていても、席への案内、料理のタイミングなど狂いのないオペレーションは見事である。
大勢のお客さんの要求に応えようという意思なのか、とんかつだでなく、そばや寿司のメニューも用意されている。元々は、とんかつ会議12回で取り上げた、「井泉」の出身らしい。だがとんかつは・大分異なる。
 豚は、茶美豚、東京X、紅豚、黒豚、沖田黒豚、甘い誘惑と6種類。今回は、一番廉価な茶美豚を議題に選んだ。 
 とんかつは、小粗の衣がぴったりと肉に密着している。豚肉はほんのり甘いが、ややきめが粗く、香りも淡い。薄めゆえ、最後の方になっていくと、ややパサつく感がある。衣はサクサクと軽く、肉とのバランスがいいが、網に置かれている下側の部分が蒸れて、しっとりとなっているのが惜しい。油はひまわり油ということで、あっさりとしているが、とんかつなのだからコクと香りが欲しいと思う。  
 お代わり中のキャベツは、細く切りそろえられて食感はいいが、やや乾燥気味である。ソースは辛口と甘口が用意され、両極端な味に仕上げているのが面白い。かけるなら辛口主体で甘口を少し混ぜると、このカツと合うように思った。黒豚を頼むと、フルーツの甘い香りを閉じ込めた専用ソースが運ばれる。 ご飯はこれだけの客数なのに安定している。プラス100円で変更がきく豚汁は豚バラがどっさり入っている。もう少し味噌の香りを高めたら魅力的になるだろう。
 単品で頼んだ黒豚のヒレカツは、甘い香りに満ちて良かった。