東京とんかつ会議第173回
大塚とんかつ美濃屋 特選ロースカツ定食1080円
肉2 油2 衣3 キャベツ2 お新香1 ソース2 味噌汁2 ごはん3 特記ヒレカツ 18点
大塚元々三業地であって、その雰囲気はかつて江戸料理の「なべ家」のあった南口辺りに残るが、店のある北口は、かなり雑多で、居酒屋や風俗店など様々な店が軒を連ねている。
こうした大衆的生活力に富んだ雰囲気に、とんかつ屋は似合う。とんかつ食べて、活力つけちゃうもんねという雰囲気に満ちている。
特選ロースカツ定食は堂々たる体躯である。聞けば200gだという。200gでこの値段と質は、なかなかない。「いちかつ」など並ぶ上質である。安くて美味しいトンカツを食べたいと思うなら、大至急大塚に足を運ぶべきであろう。
肉は優しい食感で、肉汁を含み、甘い香りも漂う。ヒレも同様にきめ細かく、ロゼ色に仕上がって、しっとりとしていた。
衣は安いトンカツ屋にありがちな中粗なパン粉ではなく、細かいパン粉で肉に密着してトンカツの喜びが味わえる。脇役では羽釜で炊いたご飯が、よかった。
豚汁は根菜系ではなく、キャベツと豚肉で、豚脂の味が少なくサラリとしているので、トンカツとぶつかることがない、
お新香を1としたのは、定食についていないからである。おそらく残す人などいて無駄だと思われたせいかもしれない。しかし50円を払えば浅漬けのきゅうりと大根によるお新香をつけることができる。それでも1130円。十分なお値打ちである。
帰り際に「おいしかったです。この値段で200gは立派ですね」というと、「ありがとうございます。だからすぐ売り切れちゃうんですよ。きょうはあってよかったです」。
この店主の一言が優しい。それがこの安くて美味しいを生み出しているのだなと、思った。
山本益博氏
【肉3衣3油2キャベツ3ソース2ご飯3味噌汁2お新香2特記なし合計20点】
河田剛氏
肉2、衣3、油3、キャベツ2、ソース2、御飯3、お新香2、味噌汁2、特記 なし 計19点