東京とんかつ会議殿堂入り審査 銀座「かつぜん」ロースカツ4700円(黒豚)

東京とんかつ会議殿堂入り審査
銀座「かつぜん」ロースカツ4700円(黒豚)
<肉3、衣2、油2、キャベツ3、ソース2、御飯2、新香3、味噌汁3、特記なし 計20点>
 とんかつ割烹と名乗るだけあって、小料理屋代わりに使う人が多いようである。審議に出かけたのは土曜日の昼であったが、各種小鉢料理を頼み酒を飲んで、最後にとんかつを食べるというお客さんもいらっしゃった。
 以前とんかつ会議で私があげたのは、「リブロースカツ」(3800円)である。どうやら土日にはやってないらしく、黒豚の「ロースかつ」と「ヒレかつ」(共に4700円)、銘柄豚の「ロースかつ」(3950円)と「ヒレかつ」(4100円)という布陣になっていた。
 とんかつはいずれも野菜の炊き合わせが出されてから、運ばれる。横半分、縦7つに均等に切られた姿は端正で、断面を見ればしっとりと濡れ、ほんのり肉がピンク色に色すいている。しなやかで香りも感じる黒豚である。脂もいやらしくない。
 衣はきめ細やかでこの豚肉のうま味と合うが、高温すぎるのだろう、やや剥がれかかっていて一体感がない。油切れはいいが、酒を飲んだ後のカツとしての考えだろうか。 油のコクが感じられなくさらりとしている。とんかつ好きとしては、都内最高価格のとんかつを出すなら、油の質や種類、揚げ油の温度を調整し、最高峰のとんかつを目指して欲しいと思う。
 キャベツは上出来、お新香もいい。麦味噌だろうか、豆腐と油揚げには行った。甘めの味噌汁の香りも十分。ただし豆腐の同寸の切り方への配慮がほしい。ソースは二種類、普通のとんかつソースは濃度が強く、味わいも深いがキレがいい。もう一つの特製ニンニク味噌ソースは、ニンニク香が強くくどいため、お好きな方は少量のアクセントとして使うことをお勧めしたい。ちなみに溶き辛子は、辛く香り高かった。