東京とんかつ会議 第87回  小伝馬町「ミキスケ」極みとんかつ(1000円)

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議 第87回 小伝馬町「ミキスケ」極みとんかつ(1000円)

肉2、衣3、油2、キャベツ2、ソース2、御飯2、新香なし、味噌汁2、特記なし15点(各項目3点満点、特記項目含め25点満点)
 牛肉鉄板焼きが名物の店である。どのテーブルでも熱した鉄板皿に牛肉が盛られて、ジュージューと威勢のいい音を立てて、「とんかつ下さい」と頼む心が揺れる。訪れた昼時は、全員が牛肉鉄板焼きを食べながら御飯をほおばっていた。誰もとんかつは食べていない。

 しかしそのとんかつは、千円ながら立派な姿である。恐らく都内で食べることの出来る千円のとんかつの中では、一番の厚みと量なのではないだろうか。

 切られた断面は、うっすらとピンクがかっていて、それがきめ細かい衣によく映える。肉はロース肉の背脂を掃除したもので、甘い香りに乏しいものの、肉を噛む喜びを与えてくれるが、残念ながら豚のうま味には乏しい。衣は、厚い身をしっかり火を通しながらも、パン粉がはがれることなく密着している。また油の香りとコクにかけるものの、油切れよく、カリリと小さな音を立てながら、衣が弾けていく。

 キャベツは粗目、柔らかめの御飯は悪くない。とんかつソースはカレー香が効いた独特の風味、お新香はなし。ワカメの味噌汁は、この価格なら致し方ないが、もう少しうま味を減らしてほしかった。

 A5のハンバーグも試してみた。脂にまみれた安いハンバーグとは一線を画すものだったが、とんかつのほうがオススメである。