東京とんかつ会議 第29回西麻布「豚組」のロースかつ定食

とんかつ会議 ,

東京とんかつ会議 第29回
西麻布「豚組」のロースかつ定食(2300円)
<肉3、衣2、油2、キャベツ2、ソース3、御飯2、新香2、味噌汁2、特記なし 18点(各項目3点満点、特記項目含め25点満点)>


 西麻布の裏路地にある古民家風一軒家。店名の「豚組」というユーモラスな名前といい、わざと不便な立地や佇まいといい、旧態然としたとんかつ屋のイメージを払しょくして、新たなとんかつファンを引き寄せた。
 また7年前に開店した当店は、今でこそブランド豚を語るのが当たり前になったが、当時、全国や世界の豚を集め、とんかつに仕立て上げて、お客さんの豚に対する認識を変えた功績は大きい。昼時に訪れたが、ほぼ満席、若い女性客も多い。
 頼んだのは開店来の人気豚だという、岐阜は下呂の「なっとく豚」という三元豚のとんかつである。中粗の衣を立てて、金網の上に置かれた熱々のかつを齧れば、豚のコクと甘味が充分にあって、顔が崩れる。下味の塩がきっちりと効いているので、なにもかけずともこのままうまく、豚の甘みも生きている。衣には、油のコクある香りがあって食欲を誘うが、衣が大きいせいで、油を吸って、やや切れが悪いのが残念である。また食べ進むと、余熱で肉に火が通りすぎてしまう。この素晴らしき肉を生かすためにも、衣の大きさと過熱をお今一度再点検されると、より良いのではなかろうか。
 お代わり自由のキャベツ、赤だしのシジミ汁、ごはん、キャベツと胡瓜の浅漬け共に申し分なし。素晴らしいのがソースで、単に甘酸っぱいだけでなく、複雑なうま味があって、それが丸く溶け合い、香りも高い。
 「葉っぱのサラダ」を頼もうとすると、「キャベツがつきますがよろしいですか? もしよろしければ先にお持ちしましょうか?」などと、よく気が付く女性のサービスが、心地よかった。

山本氏

肉3衣1油3キャベツ3ソース3御飯2味噌汁2お新香3計20点】(各項目3点満点特記1点合計25点満点)

河田氏

肉3、衣2、油2、キャベツ2、ソース3、御飯3、新香2、味噌汁2、特記なし19点(