東京とんかつ会議 第28回 神田「万平」 ロースカツ定食(1600円)

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東京とんかつ会議 第28回 神田「万平」 ロースカツ定食(1600円)
肉2、衣3、油3、キャベツ2、ソース1、御飯3、新香2、味噌汁3、特記ハンバーグ1点  計21点(各項目3点満点、特記
項目含め25点満点)


 老舗名店や東京都選定歴史的建造物が多い、風情のある界隈にさりげなく佇む。実は創業62年となる老舗格の店で、多くのファンを持っている。
 店内を切り盛るの、ピンクの上っ張りを着た年配の女性二人。気配りのきいたサービスが、下町のトンカツ屋としての格を与えている。
 後から来た二十代後半の男二人は、ネットで評判を見たらしく、「カキフライはやってないんですか」と聞いている。常識を外れた質問にも、「カキフライは11月からなんですよ。すいませんねえ」と答えている。
 さらに「ヒレカツとロースカツ、どちらがうまいですか?」 という無茶ぶりにも、「うちはトンカツ屋ですから、ロースがお奨めです」というとこなんていいねえ。気持ちいい。
 カツを頼むと、奥の厨房から油が爆ぜる音が聞こえてきた。キャベツと胡瓜の浅漬けが運ばれ、やがてカツは登場する。アルマイトのお皿に載って登場とは、もう都内では見かけなくなった光景で、懐かしい。、
 茶色の細かい衣は香ばしく、最後まで肉にピタリと張り付いている。
幅の広い部分だけ脂が掃除された肉は、火をしっかり通したうま味がある。
しかしやや肉の味が薄いが、端っこの、火が通りにくい脂多き部分も、きっちり帆が通され、脂が甘い、油切れもいい。
 甘みのあるご飯、お新香、歯切れのいいキャベツ、優しい味わいの豆腐の味噌汁ともに、申し分のない、真っ当な、下町の心意気がつまった和定食である
 ソースは甘みがかった濃い味なので、もし肉の味を生かすなら、少しずつかける方がいいだろう。
 いやここは下町、ソースをどっとかけて、一気呵成にご飯を書き込むのも悪くない。
 特記のハンバーグは、オムレツを頼んだのかと思わせる、玉子焼きで巻いたこの店だけの個性ある風貌で、豚肉の甘い風味が生きている。、ああそうそう、牡蠣フライもおいしい、