神戸旧居留地「丸萬」

昭和町中華に愛が向く。

食べ歩き ,

また行ってしまった。
辺りには、おいしい店が多くあるのに,この昭和町中華に愛が向いてしまう。
11時開店少し前に行くと、常連のおじさんたちが列をなしていた.
前回は中華そばを食べたので,今回は五目焼きそばを食べよう。
さらに奢って前菜には、あんかけの肉団子「甜酸肉丸」と、い口つもりである。
「酢団子とビールください」と、頼めば、「酢団子ひとぉつ」と、おばさんが厨房に声を通す。
しかし老主人が渋い顔をして言う。
「20分かかるよ」。
仕方ない。
「芙蓉蝦ください」。
おばさん明るく「ふようひとぉつ」。
「20分かかるよ」。
困った。
八宝菜でもいいが、味付けが五目焼きそばとかぶる。
ならば。
「酢豚はどうでしょう?」
「酢豚ならすぐできる」。交渉成立。
ビールを飲んでいると,酢豚が運ばれた。
豚の大きさがいい。
ちょうど二口でいける大きさで、ロースだが,ヒレのように柔らかい。
脇役は、玉ねぎに筍とピーマン、そして赤いものは何かと食べれば、紅生姜だった。
その酸っぱ甘さが、甘辛い味のアクセントとなって,効いている。
酢豚を半分食べた辺りで「五目焼きそば汁錦炒麺」を頼む。
このタイミングが重要で、酢豚を食べ終わった頃合いに、焼きそばが運ばれた。
焼いてない麺に、塩味の五目餡をかけた,町中華王道のスタイルである。
目玉焼きが載っているのが珍しい。
まずはそのまま食べてから,酢と辛子でいじめてやる。
酢辛子で緩くなった餡に麺をからめ、「ズズズゥッ」と、下品にすすりこむのが、たまらなく好きなのである。
少し気取った人が、大衆の下世話に戻っていく、下手の迫力を感じる。
ごちそうさまでした。
次回は暇な昼過ぎに来て、酢団子と海老玉、炒飯と汁ビーフンを食べるぞ。
ということは後に解雇なくては。
いや、オムライスと海老天ぷらも食べたいから3回か。
神戸旧居留地「丸萬」にて。