昨夜は、新京極近くの「蛸八」で軽くつまむ。
ご夫婦二人で切り盛りされる、カウンターだけの小体な割烹である。
6日ぶりのアルコールに、肝臓もびっくりしただろう。
春菊の白和えに始まり、ヨコワと赤貝、剣先イカと蛸のお造り、水菜と油揚げの炊いたん、白子焼き、揚げ納豆、白菜漬物で、一人酒を重ねた。
30回以上噛むように努め、炭水化物や糖質はとらない軽い食事だが、それでもお腹がいっぱいになってしまう自分に驚く。
まあこれが、60を過ぎた男性としては普通かもしれないが、このままでは商売上がったりである。
しかしこうしてよく噛んで食べて気がついたことがある。
蛸の刺身は、30回以上噛めない。
ちぎれる部分と、どうしてもちぎれず、柔らかくなっていくだけの部分があるのである。
柔らかくなっていくだけの部分はしぶとく、小さい面積ながら、いくら噛んでもさらには小さくならない。
いままでは、無意識に飲み込んでいたのだろう。
昨夜は、意識的に飲み込んでみた。
たったこれだけで、食材の感じ方が違う。
反省をした。
隣の常連客は、60過ぎのお母さんと40代の息子で、きずし、白子湯引き、蛸煮、鴨ロース、スッポン鍋とその雑炊を食べ飲み、1時間ほどで帰っていった。
その隣は締めに、白いご飯と海苔をもらい、海苔で巻いて食べていた。
ああ。ああ。
あれほど、海苔巻きご飯が愛おしく思った瞬間はなかった。。
「蛸八」で軽くつまむ
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