「珍しくトビウオが上がったので、じゃがいもと地元のキクラゲで、フリッタータにしました」。
目前は海、早川漁港が広がる。
歩いて1分の場所に市場があり、シェフは買参権を持っている。
早川は、魚種が豊富である。
この日は、やまとかます、トビウオ、ほうぼう、わかし、アオリイカ、イサキ、かます、カツオ、アジ、花鯛、、ムギイカ、鱧、ヒラスズキと、13種類の魚が出された。
それぞれの魚ごとに、地元の野菜や果物を合わせた料理をいただきながら、自らの感覚が、海と同化していくのを感じた。
そこには愛する魚の持ち味を生かすことのみを見つめた、依田シェフの誠実がある。
今ローカルガストロノミーとして、地方のファインダイニングがクローズアップされているが、こういう店こそ、大都市にはない。
この風と滋養を感じてこそ、土地に根ざすものを感じ得るのではないだろうか。
早川「イルマーレ」にて