「料理で一番難しいのはサラダだと思います。だから今日はあえてサラダを最後にお出しします」。
ラフィナージュ高良シェフとドロワ森永シェフのコラボの宴で、高良シェフはそう言われた。
食べて思う。
葉たちが生きている。
今日の葉には、どの味に留めて、ヴィネグレットを作るか。
どれくらいの塩分にするか。
それを葉の一枚一枚に、どれくらいまとわせるか。
葉っぱに敬意を払いながら、サラダという調和を生み出す。
今まで食べてきたサラダは、ヴィネグレットが勝ちすぎていた。
つまりうますぎていたのである。
ヴィネガウレットが静かに、葉っぱのみずみずしさや香り、甘みや苦味を持ち上げている。
葉っぱは、それを喜びに感じながら、生き生きと脈動している。
それは、生の美しさに満ちたサラダだった。