折笠さん

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「奇跡の林檎の木村さんがここに来た時に言われたんです。花粉症やアトピー、重度過敏症の人たちの責任は北海道にあるとね」。
日本の農家の平均耕地は、1㌶だが、北海道は10㌶ある。
ここ十勝は、40㌶以上の大規模農家が多い。
つまり国産と書かれていれば、それはほぼ北海道産なのである。
十勝の方々は思う。
我々は日本人の食卓をまかなっている。
だからこそ変わらなくてはいけない。
折笠さんはそう思い、自然農法に踏み切った。
肥料もやらない、農薬も撒かない、水もやらない。
これだけの広大な土地で、自然農法をやられているのは、折笠さんだけではないだろうか?
今は、小麦他様々なものを育てているが、元々は豆農家である。
その豆の質の高さは、広く知られている。
辰巳芳子さんがわざわざ畑を訪ねられ、「あなたの豆は本当においしいわ。日本の豆を未来に繋ぐのはあなたしかいない」といって、絶滅危惧種の豆の種を手渡されたという。
国産有機自然栽培の小麦と豆を作られる使った「法隆寺醤油」や、同じく「魯山人醤油」という、最高品質の醤油に使われている。
その折笠さんが、今試作中のトマトジュースをいただいた。
加熱温度や加熱時間を何度も試行錯誤しながら、作り上げているという。
一口飲んだ瞬間、トマト畑の中にいた。
太陽の香りがする。
今までの高品質なトマトジュースを数多く飲んだが、どれも微かに水っぽい感じがあった。
しかしこれは、トマトを丸齧りした時と同じ躍動感がある。
ごくんと一口飲むたびに、トマトの命がはじけ飛ぶのだった。