恭子さんの焼くピッツァは

食べ歩き ,

恭子さんの焼くピッツァは、とても軽い。
いや正確には、「気がつくと軽い」と言った方が正しいか。
「実は僕ナポリピッツァが苦手だったんですが、奥さんの焼くピッツァは食べられるんです」。イタリア製のパンツとシャツを着込んだご主人が、恥ずかしそうに言う。続けて
「うちは子供連れもたくさんくるので、素性の知れない食材は使えない」
無農薬国産小麦粉で焼かれるピッツァは、しっかりと歯に食い込み、モチモチと弾みながら、小麦粉の甘い香りを立ち上らせて、幸せを呼んでくる。
コルニチォーネもふっくらとして、噛みしめる喜びがある。
なのに軽い。
お腹にたまらず、スルスルと入ってしまう、不思議なピッツァである。
ここにくる幼稚園児でも一枚は食べてしまうという。
「何が食べたい?」「恭子!」という母子の会話がなされているという近隣に住む人たちは幸せだなあ
マルゲリータブッファラはもちろんのこと、トマトソース、モッツアレッラ、自家製ソーセージ、リコッタ、辛い肉ペーストなどが入った、辛い「ンドゥイア」もいい。
一番のオススメは「マイス」かな。
チッチョリ、モッツアレッラ、トウモロコシ、辛い肉ペーストが入ったもので、コーンの甘み、チースのコク、ソーセージの塩気と甘み、辛味が、生地の風味が、渾然となって、口の中で巡るのだな。
あまりに生地が美味しいのでイイダコの煮込みの余ったソースのために、素ピッツァをもらってつけてみた。
ハハ。こいつはやめられない。

 

閉店