広尾「幻燈士なかだ」を勝手に救済

食べ歩き ,

広尾「幻燈士なかだ」を勝手に救済。
松濤にあった頃から、もう6年ぶりだ。
いやあなんということだろう。瞠目の連続で心が揺さぶられる。
素材に敬意を払い、対話しながら考え抜き、手間暇をかけた、どこにもない料理。
突出しの蛤を【まぶした】山菜。
つたない味同士が緩やかに抱き合う、「白魚のすり流しと白筍」。
燻製鱒寿司、ホタルイカ独活山菜巻、白エビの玉子焼き。
そして写真は白アスパラガス。
根はみずみずしい天ぷらに、中間は香り高まる地焼きに、幼い甘みが生きるよう、頭は生で細かく裂き、皮のソースを。
レモン塩とフキノトウ味噌で。
部位の持ち味を生かした料理が、心に届く。
その他、海そのものが現れる、平目コブ〆生この子和えとエンガワ炙り
エッチな、生フォアグラの満寿泉プレミアム漬け ドライトマト花巻添え。
出会いの妙に笑い出す、くみ上げ湯葉とトマトにフカヒレ。
しっとりと生きているかのような、桜鯛低温焼き
鯛のスープ 
尾崎牛ひれ焼きと、かぶりを炊いてコロッケに味噌のソース
何たる優しい味わい、自家製味噌の汁と新玉葱緑のオリーブご飯!!
自然な甘みに満ちた、カレーうどん
ぎりぎりの塩加減という勇気。
それは、食べる側も静かに心を傾けることが求められる。
ヨーグルトアイスとさくらんぼソース 空豆の密漬け
ラム酒漬け丹波黒豆のショコラがけ、醍醐、キンカンバニラ風味、バナナのケーキ
干し大根赤ワイン漬け、レモンキャラメル、干し無花果射込みバタークリーム黄な粉がけ。
以前は突飛も見受けられたが、いまは独創が着地して、生き生きと食材が語りかけてくる
気が動いた。