岸田周三。アンドレ・チャン。

日記 ,

「僕らの-コラボレーションは、15年前から始まっていました」。アンドレ・チャン。
「コラボはお断りしてきたのですが、彼とならやれると思いました」。岸田周三。
パリの同じ部屋で暮らしながら、一流のシェフになることを、自分の料理で世界を魅了してやろうと夢見ていた青年二人が、15年後に再び出会い、料理を作り合う。
8皿ずつ計16皿の料理は、静かな火花を散らしながら、個性というプライドを秘めながら、我々の体に溶け込んでいった。
動と静、赤と白。雄弁と朴訥。
穏やかな情熱が皿の上に漂う。
しかしそこには、食材に対する深い感謝と、互いの才に対する敬意が満ちた愛が滲んでいる。
だから個性は異なりながら合一して、我々の心をなだめ、なによりも幸せへと運ぶのだった。