宇宙があった。

食べ歩き ,


宇宙があった。
果てしなく、優しさが広がる、宇宙があった。
「mondo」宮木シェフと「レカン」高良シェフのコラボディナーでの、宮木シェフのパスタである。
ジャガイモのニョッキの皮で作ったラヴィオリの中に、ブランダートと鮎のなれ鮨を詰め、ホタテのソースを流してある。
なにより皮が素晴らしい。
少し硬めにまとめた作りたてのニョッキを薄く伸ばし、ブランダートを包んで、静かにバターで炊いていく。
その皮は、ジャガイモの甘みに富んで、ふんわりと歯を包み、笑顔を呼ぶ。
そして、塩鱈の強い塩気が滲み出て、ジャガイモの丸いうま味に抱かれる。
ブランダートの滋味をそっと底上げしているのは、鮎の上品ななれ鮨である。
塩鱈、ジャガイモ、鮎。その三者が、静かに舌の上でもつれ合う瞬間、精妙に塩気を整えたソースが、共鳴し、震える。
必要のないものを削ぎ落とした素朴さの中には、本当の洗練が宿る。
そのことを教えてくれる料理だった。