蓮沼「豚玉」

夫唱婦随の豚玉

食べ歩き ,

豚玉ときましたか。

これは数多くの美味しい店がある東京で、最も難しいお題ですね。

元々東京に暮らす人々は、豚玉を重要視していない。

だから店も、応えようとはしない。

しかしそれでも、関西人に自慢できる逸品がありますよ。

「福竹」です。

それは、30数年前に開業しようと思ったご主人が、8年間かけて関西のお好み焼きを食べ歩き、2年間試行錯誤して生み出した、珠玉の豚玉です。

季節を追って、全国から春キャベツを仕入れ、融点の低い脂を持つ豚肉を宮崎から仕入れる。

粉、天かす、紅生姜、鰹節、青のり、ソースなど、すべてが吟味され尽くしたものです。

そしてそれを、名物女将が、巧みな技術で仕上げる、夫唱婦随の味なのです。

ふっくらと膨らんだ豚玉は、豚肉と粉と卵黄とキャベツの甘みが一つになって、舌に丸い。

愛情を注いで育てた子供のように、素直で優しいが、たくましさもある。

ソースに頼ることのない、自立した美味しさがある。

そしてマヨネーズは全面にかけたりせず、後半でちょい付けするのみ。

その全工程を、すべて女将が仕切ってくれる。

さらにはくどくなく、後味の余韻が軽やかなので、食べるとお腹が空いていく豚玉でもあります。

門上さん、この豚玉食べに東京に来られませんか。

 

蓮沼「豚玉」