卒業おめでとう。

日記 ,

卒業おめでとう。 「鍋奉行検定初級」合格おめでとう。
今日から君たちは、新たな人生を迎えることになる。
先生にも親にも友人にも家族にも愛人にも、誰にも頼ることなく、一流の鍋奉行として自立せねばならない。
日夜鍋の研究をし、夏だろうが冬だろうが、鍋奉行道に励まねばならない。
鍋将軍の横暴にも、アク代官の邪魔も、町火消しのお節介にも、待ち娘の誘惑にも動じることなく、鍋進行を御し、ただひたすらみんながおいしい鍋を食べることができるよう、努めなければならない。
それだけの知識と技術は教えた。あなたたちは、もうどこに出ても恥じることのない、鍋奉行である。
食通や先輩が何を言おうと、天下ごめんの鍋奉行である。
愛する生徒たちよ。鍋をこよなく愛する食いしん坊で愉快な生徒たちよ。
目の前には、光り輝く、素晴らしき鍋の海原が広がっている。
さあ、勇気を持って船出しよう。
「鍋は人と人をつなぐ料理である」の言葉を胸に刻みつけて、帆をあげよう。